FX手法の優位性を確認するためにどんどんチャートを過去に戻って検証していくと・・・ん?これ以上過去チャートが見れない?
MT4のこんな症状に悩まされた事はありませんか?そんな時に行うのがヒストリカルデータの導入です。
簡易的な過去データ導入と高精度の過去データ導入がありますが、やはりおすすめは高精度の過去データ導入です。
画像の通りに操作するだけでヒストリカルデータをインポートできるよう、詳細に解説していきます。
ヒストリカルデータとは?
別名ティックデータとも言い、過去の為替相場の4本値が記録されたデータファイルです。
証券会社からダウンロードしてインストールしたMT4にはあらかじめある程度のチャートデータが含まれています。最新の足からマウスホイールをスクロールして遡っていく事ができ、MT4内にデータが存在する限り遡って過去チャートを閲覧/検証する事ができます。
※自動スクロール設定に注意
マウスホイールをスクロールしてもすぐに最新足に戻されてしまう場合、自動スクロール設定がONになっているためです。
過去チャートを検証する場合は自動スクロール設定をOFFにしておきましょう
過去チャートデータの範囲
このようにマウスホイールのスクロールかチャートをドラッグして右に動かす事で過去チャートをどんどんさかのぼって検証していく事が可能です。
ところが・・・
ここを境にどれだけ操作しようとも、2021年9月6日以前にはさかのぼれなくなりました。
これが現在起動しているMT4に入っているデータの最も過去のチャートという事になります。
もっと前のチャートで過去検証がしたい!という場合はどうすればよいのか、その解決方法を解説いたします。
【必読】ヒストリカルデータ導入前の注意事項
ヒストリカルデータ導入前のMT4セッティング
ご使用のMT4の動作を軽くするためにローソク足の表示制限がかかっている可能性があり、その場合は表示制限を解除する事により、ヒストリカルデータを導入する事なく過去チャートをさかのぼる事が出来ます。
まずは本当にMT4にデータが入っていないのか、を確認しておきましょう。
最大バー数の確認
ヒストリー内の最大バー数 と チャートの最大バー数
この2項目を確認します。
「オプション」をクリック
MT4上部メニューからツールをクリック→オプションをクリック
「チャート」タブを選択
オプションから「チャート」タブを選択
そうするとヒストリー内の最大バー数(初期値:512000)とチャートの最大バー数(初期値:65000)という項目が表示されます。
これを最大値にして、過去チャートをさかのぼれるかどうかを確認します。
ヒストリー内の最大バー数を最大値にする
ヒストリー内の最大バー数に11桁以上の数値を入力します。
例えば
12345678910
こんな数値で構いません。
入力したら一度OKを選択してオプションを閉じて、
もう一度 ツール→オプション→チャート を表示させます。
そうすると先ほど入力した数値が
2147483647
このような10桁の数値に変更されています。
これはバグや不具合ではなく、この数値がMT4の最大表示値であるため、自動的にこの数値に設定されたという事です。
チャートの最大バー数を最大値にする
それでは先ほどと同様、今度はチャートの最大バー数の方に11桁の数値を入力してみましょう。
作業工程はヒストリー内の最大バー数と同様です。
11桁以上の数値入力→OK→再度ツール→オプション→チャートを表示
ヒストリー内の最大バー数、チャートの最大バー数、どちらにも2147483647が表示されていたならOKです。
過去チャート再確認
ヒストリー内の最大バー数、チャートの最大バー数共に最大値設定が完了したらあらためて過去チャートのさかのぼりを試してみましょう。
これでさかのぼれなければ、使用しているMT4でさかのぼれる最大の範囲まで過去チャートが表示されており、それ以前のデータは入っていない、と確認できた事になります。
注意
標準的なスペックのPCであれば、最大バー数は最大に設定したままでも問題なく機能します。しかし古いPCやスペックにあまり自信が無い場合はMT4がフリーズしたり、PCに過剰な負荷がかかってしまう可能性があるため、初期値(ヒストリー内の最大バー数:512000/チャートの最大バー数:65000)に戻しておくか、それよりも低い設定値としておかれるとよいでしょう。
簡易版:ヒストリカルデータ導入
MT4のヒストリーセンターから直接データをダウンロードする方法(非推奨)
複雑な操作を介せず、MT4単体で行う事ができる最も簡単な方法です。
メリット | デメリット |
---|---|
とにかく操作が簡単 MT4だけで完結できる 一気に過去データをダウンロードできる | チャートの正確性に欠ける |
向いている人 | 向いていない人 |
---|---|
難しいPC操作が苦手 正確性は求めていない 簡易的に過去チャートを確認できればよい | 正確なデータで過去検証を行いたい |
MT4のヒストリーセンターからの簡易導入はとにかく難しい事をせず簡単に過去チャートを確認したい、という方向けです。
MT4のヒストリーセンターからダウンロードできるMetaQuotes社のデータは極めて精度が低く、(データ抜け、値飛び、それに伴うヒゲ等、不自然な出来高が非常に多い)裁量、無裁量、自動、手動に限らず、出来るだけ正確に手法やEA(自動売買)のバックテストを行いたい場合はおすすめしません。個人的には非推奨です。
できるだけ正確なデータにおける過去チャートを導入されたい方は
▶ティックデータを用いた高精度ヒストリカルデータの導入
をご覧ください。
MT4のヒストリーセンターから過去データを導入する手順
MT4上部メニューのツールをクリック→ヒストリーセンターをクリック
過去データをダウンロードしたい通貨ペア、時間足を選択しダウンロードをクリック
(表記は利用されている証券会社により異なります)
するとMT4のヒストリーセンターに存在する全ての過去データをダウンロードし、チャートをさかのぼれるようになります。非常に簡単ですね。
(さかのぼれない場合は、ヒストリー内の最大バー数とチャートの最大バー数を大きくしてみましょう)
ダウンロードアラートが表示された場合
※このアラートはMT4のヒストリーセンターからダウンロードするデータはMetaQuotes社のデータであるため、過去データをダウンロードして反映させる事は出来ますが、ご自身が使用されている証券会社のデータとは異なるチャートデータです、という意味です。そのため、少々正確性に欠けるデータであっても了承できる、という方はOKを押してヒストリーセンターからダウンロードするようになさってください。
完全版:ヒストリカルデータ導入
ティックデータを用いた正確なヒストリカルデータの導入
ここではAxioryという証券会社のヒストリカルデータを導入し、過去チャートを表示する方法を解説いたします。Axioryでは2015年までの過去データをダウンロードする事ができます。
前項の簡易設定と比べると操作手順が増えるため、PCの操作や設定が苦手という方は敬遠してしまうかもしれませんが、難しい操作はありません。
ほとんどの操作は適切なフォルダやファイルを開き、選択し、クリックするだけです。
一つずつ順を追って見ていけば必ず出来ますのでチャレンジなさってみてくださいね。
手順は大きく分けて3つです。
①Axioryからヒストリカルデータをダウンロードする
②PCのデスクトップで下準備をする
③MT4にヒストリカルデータを導入する
順番に見ていきましょう。
注意
一部インターネット上ではAxioryのヒストリカルデータを使用するために、
「まずは下記のリンクからAxioryで口座を作る必要があります!」
とリンク誘導しているサイトもありますが、これはアフィリエイト報酬目的の誤った誘導情報です。Axioryは信頼度の高い取引業者の一つではありますが、Axioryで口座を作成しなければヒストリカルデータを利用できないという事ではありません。
①Axioryでヒストリカルデータをダウンロードする
先ほどのUSDJPYでは2021年9月6日より以前の過去チャートを遡って見る事ができない状態でした。
そこで、ここからはそれより以前の2020年度からのチャートを表示したいと想定し、
・直近2024年1月~9月の月別データ
・2020~2023年の年別データ
のダウンロードと導入を事例として解説していきます。
・まずは下記のAxioryの公式サイトへアクセスしましょう。
※本サイトはアフィリエイトは一切行っておりませんので安心してアクセスなさってください
・サイト上部メニューから、プラットフォーム→MT4/MT5ヒストリカルデータをクリック
・USD/JPYの欄の2020年から順番に最新の2024年のデータマークをクリックしてPCにヒストリカルデータのzipファイルをダウンロードしていきます
②PCのデスクトップで下準備をする
PCでの下準備としてデスクトップには「過去データ」という名前のフォルダを作成します。
先ほどAxioryからダウンロードしたUSDJPYのヒストリカルデータのzipファイルを過去データフォルダに移動させます。
次に過去データフォルダの中に
・USDJPY2020
・USDJPY2021
・USDJPY2022
・USDJPY2023
・USDJPY2024
というフォルダをそれぞれ作成します
ダウンロードしたUSDJPY.zip(2020年度)を解凍すると画像のように2020_01から2020_12という月別の過去データと2020_allという年間の過去データが入っています。
これを作成したUSDJPY2020のフォルダへと移動します。
2021年~2023年分も同様に移動します。
ただし直近の過去データである2024年だけは月別ファイルしかありませんが・・・(この日は2024年10月31日のため、直近前月である2024年9月までのデータがダウンロードできる)
特に問題はありませんので、解凍したzipファイルに入っている月別データだけをUSDJPY2024年フォルダへと移動させておきましょう。
以上でヒストリカルデータ導入前の事前準備は完了です。
この作業が終わればUSDJPY.zip~USDJPY(4).zipまでのAxioryからダウンロードした5つのzipファイルは必要ありませんので、この時点で消去しておいても構いません。
③MT4にヒストリカルデータをインポートする
次はいよいよヒストリカルデータをMT4にインポートしていきます。
インポートの流れ
STEP1:すべてのチャートを閉じる
STEP2:取引口座からログアウト
STEP3:現在のMT4のヒストリカルデータを削除
STEP4:最大バー数の数値を変更
STEP5:ヒストリカルデータのインポート
STEP6:データを上位足に反映
それでは順番に見ていきましょう。
現在MT4に表示中の全てのチャートを閉じます。
表示中のチャートを閉じる操作
・チャートの右上の「✕」から直接チャートを閉じる
・キーボードの「ctrl」を押しながら「F4」を押下して閉じる
・ファイル→「チャートを閉じる」をクリックして閉じる
ご自身のやりやすい方法で表示されているチャートを確実に全て閉じてください
・左上の「ファイル」をクリック→「取引口座にログイン」をクリック
・取引口座のログイン情報が表示されますので、パスワード欄を空白にしてログインをクリック
・MT4の右下に「無効な口座」と表示されればログアウト成功です
次にダウンロードしたヒストリカルデータをインポートする場所を作る必要がありますので、現在MT4に入っている既存のヒストリカルデータを削除していきます。
・左上の「ファイル」をクリック→「データフォルダを開く」をクリック
・データフォルダ内の「history」フォルダをダブルクリックで開く
・history内の「サーバー名」フォルダをダブルクリックで開く
・サーバー名フォルダ内の既存ヒストリカルデータを削除する
今回はUSDJPYのヒストリカルデータをインポートしますので、USDJPYの既存ヒストリカルデータを削除しています
続いてMT4の最大バー数の表示数を上限に調節しておきます
・MT4上部メニューの「ツール」をクリック→「オプション」をクリック
・オプション上部のタブ「チャート」をクリック
そうすると初期値であれば下記画像の様に、
ヒストリー内の最大バー数:512000
チャートの最大バー数:65000
と設定されています
・ここにそれぞれ11桁以上の数値を入力・・・例:12345678910
その後OKで適用
・次にもう一度、MT4上部メニューの「ツール」をクリック→「オプション」をクリック
・オプション上部のタブ「チャート」をクリック
ヒストリー内の最大バー数:2147483647
チャートの最大バー数:2147483647
このような設定値となっている事が確認できたらOKを押してください
※この10桁の数値はMT4の最大設定値であるため、自動的にこの数値に設定されます
AxioryでダウンロードしたヒストリカルデータをMT4にインポートしていきます。
本事例はUSDJPY2020年~2024年9月までのデータインポート事例です。
ご自身のMT4の環境に合わせてインポートする期間を調整してください。
・MT4上部メニューの「ツール」をクリック→「ヒストリーセンター」をクリック
・「USDJPY」をダブルクリック
・「1分足(M1)」をダブルクリック
「 デー・ベース:0 レコード 」と表記されている事を必ず確認してください
0レコード確認後:下記A~Fの作業を実施します
これでUSDJPY2020年のヒストリカルデータのインポートが完了しました
さらにA~Fを2021年、2022年、2023年へと適用し、同じ作業を繰り返してヒストリカルデータをインポートしていきましょう。
ただし直近である2024年は「all」(年間)のファイルは存在しておらず、01.02.03…..という月別のファイルのみです。そのため直近年度は01から順番に月別のファイルを全てインポートしていきます。
無事に全てのファイルのインポートを終えたら、一度MT4を終了させて再起動してください。
再起動すると「取引口座のログイン情報」画面が表示されますが、まだログインはせず「キャンセル」をクリックします。
ここまででMT4における最も小さな時間軸であり詳細なデータでもある1分足のデータをインポートする事ができました。
最後にこの詳細な1分足のデータを上位足に反映させて正確な過去チャートを完成させる作業です。
具体的にはMT4に標準装備のスクリプトである「 PeriodConverter 」を用いて作成していきます。
以下5分足から順番に作成していく手順となります。
・MT4左上の「ファイル」をクリック→「オフラインチャート」をクリック
・オフラインチャートリスト内、「USDJPY,M1」を選択し「開く」をクリック
※STEP5の最後の手順であるMT4の再起動を行っていない場合、「USDJPY,M1」が表示されない事があります
・そうすると下記の様なUSDJPYのオフラインチャートが自動で開きます
・MT4上部メニューの「表示」をクリック→「ナビゲーター」をクリック
・ナビゲーター内「スクリプト」をダブルクリックで展開→「PeriodConverter」をUSDJPYのオフラインチャートへドラッグアンドドロップ
・PeriodConverterの「全般」タブを選択→「自動売買を許可する」にチェック
・続いてPeriodConverterの「パラメーターの入力」タブを選択→Period multiplier factorの値に「5」を入力しOKをクリック
あと一息です。
最後に1分足のヒストリカルデータを5分足に正確に反映させる事ができたかどうかを確認します
・MT4上部メニューの「表示」をクリック→「ターミナル」をクリック
・ターミナル内「エキスパート」タブを選択
このように表示されていれば1分足から5分足へ正確にヒストリカルデータが反映されたという事になります
以降はPeriodConverter「パラメーターの入力」タブ内の「Period multiplier factor」の値に
15分足:15
30分足:30
1時間足:60
4時間足:240
日足:1440
週足:10080
月足:43200
これらを入力→OK→ターミナル確認を繰り返していき、5分足と同様、さらに上位の時間足にも順番に反映させていきましょう。(ターミナルでの随時確認作業を忘れずに)
過去チャート最終確認
・MT4左上「ファイル」をクリック→「オフラインチャート」をクリック
・5分足~月足まで、全ての上位足のヒストリカルデータが表示されている事が確認できたらお疲れ様でした!作業完了です。
確認後、MT4を再起動し取引口座にログインします。
2021年9月6日以前の過去チャートにはさかのぼれなかったのですが・・・
無事に以前の過去チャートを見る事が出来るようになりました。
今回インポートしたのは2020年まででしたので2020年の1月までしっかりと過去チャートをさかのぼる事ができるようになっています。
MT4ヒストリカルデータ導入まとめ
さてさて皆さん、過去チャート、うまくインポートできたでしょうか?
実際のところ「~を確認」といった手順は飛ばしてしまってもインポート自体に支障は生じません。
しかし、何か一つ手順を飛ばす、そういったクセが付いてしまうと、本当に必要な他の手順も「この手順も不要だろう」と勝手に自己判断してしまい、結果的にうまくインポートできなかった・・・という事もあるかもしれません。
こういった意識や思考はFX手法の運用にも共通する面があるようにも思います。
もしうまくいかない場合はもう一度最初から一見無駄に見えるような工程も飛ばす事無く、丁寧に見ていくようになさってみてください。
作業の効率化や手順の簡素化というのは、その物事に対する「熟練」という前提があってこそです。
上記余談となりましたが、Axioryは2015年のデータまでダウンロードできますので、高精度の過去チャートは検証等に大いに役立ちます。
操作手順は多くなりますが慣れれば簡単です^^ぜひチャレンジなさってみてください。
長文お読みいただきありがとうございました。
※本記事の公開にあたり一部の方からPCの操作方法の問合せをいただきましたが、わたしはパソコン教室の先生ではありませんので、今回の記事に関する単独の問合せには対応いたしません。本記事はあくまでもわたしの考えや方法ですので、ご使用のPCの性能や影響も考慮しながらご自身の責任において操作いただきますようお願いいたします