相場に大きな値動きがあった時、
「先生・・・EA口座がやられてしまって大きな損失になってしまいました・・・」
というご報告をいただくことがあります。
先日(24年7月)の日銀介入時にも、そして先ほど(24年8月5日円高)もこのようなご報告をいただいた事をきっかけにこの記事を書いておこうと思いました。
※8本RCI-FX手法にはEAや自動売買はありませんし、わたしも運用しておりません。あくまでも生徒さんが個人的に運用なさっているEAや自動売買のお話となります
FXは自動売買で勝てるのか?
ここでは儲かるか儲からないかという論争は限定的に、一定期間における優位性が確認されたEA及び自動売買システムが存在するという前提で、ではそのような自動売買の「正しい運用」付き合い方はどのようにすればよいのか。
いわゆる運用の出口をどこに設定するのか。このような視点を中心に見ていこうと思います。
そもそもFXで勝てるEAは存在しているのか?
完全に儲からない、そんな物はない!わけではありません。
この世には儲けることのできるEAは存在しています。
しかしそれは、
・出回らない(手に入らない)可能性が高い
・出回っても、普通の一般的な家庭用PCでは運用不可能な負荷がかかるような超高頻度取引
そしてそれでも
儲けはせいぜい年利5%程度
このように考えておくべきです。
※あくまでもこれまで為替取引という世界に身を置いてきた中でのわたし個人の経験を元にした所感です
少なくとも、
完全放置でOK!1ヵ月で資金が2倍!負け知らずの自動売買!
こういった物には0.1%の可能性すら無い、という事は認識なさっておいてください。
もしかすると!なんて考える必要すらありません。
本物の自動売買とは
自動売買にしても裁量取引にしても資金の大小に関わらず、損失を出してしまう・・・というのは精神的なダメージも大きいと思います。
わたしの友人であり尊敬するトレーダーのお一人で、お互いに度々交流している英国籍のRCIトレーダーさんがいらっしゃるのですが、その方も裁量トレードのかたわら、ご自身で開発なさったEAを運用しておられますが、情報開示はごくごく限られた一部の方のみ、譲渡価格も数億円というものでした。
このような代物は運用している、と人に知れるだけで自分の身や家族に危険が及ぶ可能性があるため、やはりそう簡単には表層に出したくない、というのが本音とお話されていましたから、完全放置で儲けが出せる自動売買というツールは、可能性はゼロではありませんが、人目につく場所に出回る事はまず無い、と言ってもいいのでしょう。
また本物のEAというのは運用方法や仕組みから、一般に出回るEAとは全くの別物です。
まず現状の為替取引のシステムさえ変わらなければ理論上は恒久的に機能し続ける、という事が前提です。(この時点でとんでもない話です)
ココナラやFX手法や自動売買ツールの販売サイト等を通じて入手して、自分のMT4のエキスパートアドバイザーに挿入して設定して、いざ稼働・・・などという単純なレベルの物とは次元が違います。
本題から大きく逸れますのであまり詳しくは述べませんが、こういったシステムの運用は請け負ってくれる証券会社及び金融機関との折衝から始まります。
証券会社に専用口座を設け、専用サーバーを開設して運用する必要があります。
儲けが確約されている事から運用者/証券会社/金融機関の三者に利益が生ずるよう構築していきます。
要は出来レースですね。本当に儲かるモノ、というのはそう簡単に手の届く場所には落ちておらず(販売されておらず)、それを知っている、持っている一部の人間が約束された利益を得るためのモノ、それが本当のEA及び自動売買の姿であり、一般大衆に手が出せる範囲には存在していません。
では私たち大衆に出回るEAは全てがまがい物であり儲からないのか、というとそうとは言い切れません。
次項でどのようなものか、そしてどのように運用するとよいのか、わたしの考えを述べてまいります。
一般的なEAの推奨される運用方法
わたしはEAは否定はしませんが、前述のように儲かる前提がある本物のEAは一般の手が届く価格では出回らず、入手や運用機会も非常に限られたコミュニティ内のみで共有されています。
ただし、ある一定期間においては儲けを出せる、というEAは多数存在します。
悪名高い「カーブフィッティング」という現象は悪いものだと思いますか?
FXではなぜかカーブフィッティング=悪という事が常識となっているようですが、少なくとも、相場の一部においては優位性を示す事ができる戦略ではあるのですから、わたしはこれをそれ程悪いものと捉えていません。
よって一般的に入手可能なEAに活路を見出すのであれば
ロジックの理解
取り扱うEAが一体どのようなロジックで構成されているかを理解する
(ブラックボックスはNG)
得意不得意とする相場分析
どのようなロジックにも必ず優位性が存在します。
トレンドフォローなのかレンジの往復なのか、順張りか逆張りか、買いなのか売りなのか、時間帯はどうか、そのロジックの得意不得意を暴き出しておきます。
僅か1%の優位性でも構いません。
稼働ルールを設定
上記分析の上で一定の稼働ルールを設定し、勝てる可能性の高い相場のみ稼働させる。
これらの条件、準備を整えたEAを5つ以上用意するのが理想です。
複数のEA運用は不調なEAの損失をお互いに補い合う事が出来ます。
それでもいつかは破綻しますので、(一般入手可能なEAで破綻しないEAはありません)100万で稼働させているなら、100万円の元金を回収し、その後は一定の利益ごとに出金しながら、破綻前提で破綻するまで回転と出金を継続する事です。
利益がでる水準に達するまでに破綻する可能性もありますが、
複数のEAを用いるポートフォリオを組んで、上記の条件を整えた上で取り組む事が一つの活路と言える
と思います。
FXで勝つには・・・
この先本題から逸れますので読みたい方だけお読みください
EAや自動売買の運用というのは、ここでお教えしているような裁量トレードよりも、できるだけ労力をかけずにお金を増やしたい・・・という欲が絡みます。
それゆえ、選択する判断も鈍りやすいのだと思います。
今回のテーマと直接的な関係は無いのですが、わたしはEAではうまく勝つ事はできませんが、RCIならば少なくとも生きていくには困らないレベルで勝つ事ができます。
インジケーターもそうです。
ボリンジャーバンドやMACD、ストキャスティクスでは勝てませんが、RCIならトレードに乱れは生じません。
望む成果を上げるには「得意」を作る事です。
フィボナッチでも通貨強弱でも何でも構いません。
試行してみて、これならいけるかも!ではなく、これが好き、このインジケーターの動き方や考え方が面白い!そう思えるものをどこまでも深く突き詰めていきましょう。
勝っているトレーダーは探求を行っているだけです。
2023年7月にお教え始めた生徒さんが先日わたしの元を卒業されました。
この記事を書いているのが2024年7月末ですが、出会って丁度1年、毎週100pipsの獲得目標を掲げながら研鑽を重ね、7月の獲得pipsは既に3000pipsOver。
更なる次の目標もお持ちですので、いずれRCITrader’sにお誘いしようと思いますが、この後も一流のRCIトレーダーとして突き進んでいかれると思います。
生徒さん皆さんがFXにそれぞれの希望や目標をもって受講なさいます。
卒業していかれるのは寂しくもありますが、先生と生徒よりトレーダー同士としての方が深いお付き合いになることもありますから、縁や人生というのはどこで誰と繋がるのか分からず面白いものです。
わたしはとにかく認識の一致と蓄積を大切に考えてお教えしています。
中にはまだ花開かれていない生徒さんもいらっしゃいますが、それでも全ては蓄積されています。
たくさんの方を実際にお教えして見てきたからこそ分かるのですが、花開かない人はいません。
人によって早い遅いはありますが、どこかしらの段階でこれまでの蓄積が表層に現れて突き抜けていかれます。
FXの中で好きを作ってください。
もっと狭く考えるとRCIトレードの読み取りにおいて好きなパターンを作ってください。
(嫌いなパターンもあると尚良しです)
そしてそれを探求しながらひたすらに蓄積してください。
その結果、これまで当り前では無いこと(為替取引を収入源とする事)が当たり前にできるようになっていきます。
今回の記事は内容が右往左往してしまいましたが、自動売買の運用は自己責任とはいえ生徒さんからの損失報告は気持ちのいいものではありません。
では一般的なEAや自動売買を運用するにあたり、出来る限り損失を出さずプラスの結果とするにはどうすればよいか、このような視点からお話させていただきました。
次回はひょんなことからお試しで運用できる機会をいただいた人工知能によるAI取引についての記事を書ければ・・・と思います。
長文お読みいただきありがとうございました。