RCIとは?②最強オシレーターRCIの設定値

FXでRCIによるテクニカル分析だけで勝つための最強設定値の考察
FXトレーダーR

RCI探求シリーズの第2回はRCIの「設定値」について。
RCIに限らずインジケーターに最適な設定値というのは追い求めると限りがありません。
最強設定値と言われるものも使用場面に合わせなければ、無意味なものに成り下がってしまいます。
今回はRCIの設定値・近似値・3本RCI手法の設定値はどうか、について、その見解を書いておこうと思います。

目次

RCI設定値の最適解

FXのインジケーターRCIの最強設定値を見つける方法

基準となるRCI設定値を定める事

RCIの標準値、最初の1本の設定値をどうするか。
RCI設定値の最初の1本、わたしの場合は「10」でした。
前回記事のspearmanの順位相関係数を用いたRCIトレードの祖とも言えるDanvalcu氏の著書においては10と14が多用されています。10なら10期間における時間軸と価格軸、14なら14期間における時間軸と価格軸、2つのデータセット間におけるランキングの視覚的表現は見ているチャートの現在地を表示するのに適していると結論付けて利用されていました。

「基準」の重要性

しかし1本ではチャート分析の補助に過ぎない。
10を基準=現在とするなら、下位足は?上位足は?
ここからRCIの複数本運用へと移っていく事になります。

単一時間足ではなくフラクタルに見る事を可視化したいのなら、マルチタイムフレーム化は必須です。
上位時間軸/現在時間軸/下位時間軸を複数本のRCIで精密に分析する事で精度向上が図れるのでは?

このような考えからRCI複数本を使用したマルチタイムフレーム分析を模索するようになり、最大で24本のRCIを用いたマルチタイムフレーム分析での設定値を整え、上位時間軸にあたるRCIで環境認識を行い、現在時間軸でのRCI設定値の波を計り、下位時間軸のRCI設定値を揃えてエントリーという現在の8本RCI手法の前身となる手法が完成しました。
その精度は良好であり、手法としてはこの時点で完成形に近いものがありましたが、現実的な運用にあたり大きなデメリットが2つ発生します。

・エントリー回数の少なさ
・分析にかかる時間

エントリー回数に関してはメジャー8通貨ペア5分足同時監視でも3日間エントリーチャンスが訪れない事もありました(現在は基本2通貨ペア)これは5分足というデイトレード規模の時間軸においては致命的欠陥とも言えます

また、上位時間足チャートの環境認識に始まり、一つ時間足を下げて分析を掘り下げて根拠を重ね、ようやく辿り着いた執行時間足でさらにRCIを精密に分析して、エントリー出来るローソク足か出来ないローソク足かを確定させる・・・
オシレーターというものは時間単位の確定ごとにその様相が変化します。
一つの通貨ペアの分析を終える頃には、その前に行った通貨ペアを再分析しなければならない・・・

元来から体力には自信がある方だったのですが、これほどの精密分析かつエントリー頻度も少ないとなると、身体的にも精神的にも一日のトレードを終えた後の疲労が大きく、これを続けていくのは難しいと判断し、ならば見ている単一時間足のみで現在/上位/下位を分析する事はできないだろうか、と考えたのがきっかけで現在の単一時間足分析による8本RCI-FX手法は構成されています。
結果的には24本マルチタイムフレーム分析と8本単一時間足分析では勝率はほとんど変わらないものとなりました。

現在の日本の多くのFX理論はマルチタイムフレーム分析が尊重されFXのテクニカル分析において必須であるとされる意見が多いのですが、わたしの手法においては上記の経緯を経て、常識からは外れるかもしれませんが、MTFによる分析は情報過多となってしまい邪魔ですらあります。

しかしマルチタイムフレームによるRCI分析の試行そのものは決して無駄であったわけではなく、現在の単一時間足によるRCI分析に至るに欠かす事のできなかった工程です。これらは自らの手で検証し、自らの目で見た結果であり、本RCI手法においては8本のRCIの設定値が最適であると結論づける事ができたと考えています。

近似値の必要性について

8本のRCIの中には、「1」しか設定値の差異がないRCIが存在しています。
こういったオシレーターを使用する場合、何かと「最強設定値」を追い求めがちになりますが、目的をもって探求していないのであれば意味がありません。
無限に広がるチャートから、負けを想定せずに勝てる可能性の限りなく高い「最高の1本」をあぶりだす手法を成立させるため、そして極めて精密な分析を行う必要があるために、たとえ「1」しか設定値に差異がないRCIであったとしても、どちらか1つの設定値にまとめる事はできない、それぞれが必要不可欠な役割を担っています。

仮にその設定値をAとBとしましょう。
このAとBという設定値には1しか違いがありません。(10と11といった具合に)

▶疑問
AとB、わずか1しか違いが無い2つのRCIを表示させておく意味とは?
まとめてしまって7本RCIでもよいのでは?

8本RCI-FX手法において、もし仮にAとBを統一したと仮定してみると・・・

成立しない

となります。(生徒さんは想像するに容易いと思いますがイメージしてみてください)

為替相場において「トレンドフォロー」という個人トレーダーが最も勝てるチャート現象の押し戻りの一角を担うAは、カバー役でもあり大黒柱でもある上位RCIを指針としています。

また

・ロジック①STEP2ではAがないと成り立たない
・ロジック③においても重要な役割を果たしており、Aでしか判別できない役割がある

このような特徴を持っています。

これに対してBはエントリートリガーの指針役を果たします。
この時点でBとは立ち位置が違うのが分かります。

・追いかける性質の追従型の判別はBが無いとそもそも成り立たない
・射出する五月雨型の理想形の判別に欠かせない

よってAにBの代わりは務まらず、BもまたAの代わりになる事は出来ません。

ロジック②③を習得された生徒さんは本質の見方をご存知だと思いますが、役割の分担が明確だからこそ本手法は最大限の力を発揮するものです。
このようにたとえ1しか設定値が違わずとも、そもそもの役割が全く違うから、どちらもなくてはならないRCIなのです。

もう少し詳しく相違点を画像を交えて見てみましょう。

A:押し戻りを担う設定値のRCI

Aは単独で判断する場面もありますが、それは一時的な事です。
それは指針となる最大RCIを含めた4本でどの順序に位置しているかで図れる事、またはその位置そのもので図れる事がありますが、これらが一時的な役割。

もう一つは最大RCIの動きを中心に追従する3本の一角(三等分された役割)として「緩み」を見る事、3本の先導役としての役割も果たしています。

画像を見てみましょう。

RCIの最強設定値の一つはトレンドフォローの押し戻りを測る役割を持っている

青矢印の下降トレンドが発生し、緑矢印の戻り、そしてピンク矢印のトレンドフォロー
トレンドフォロー手法とは、青の矢印をフォローアップするピンクの矢印を狙う手法です。
トレンドが発生し、それをフォローするリトレンドを取りたい。
ではピンク矢印のトレンドを取るには、緑矢印の戻りを正確に把握する事が必要となります。

AのRCIは赤の垂直線で戻りの発生、そして水色の垂直線で戻りの終了(ピンク矢印トレンドの発生)を示唆する目ぼしい反応を示しています。
この「目ぼしい反応」というのが、そのインジケーターに最適な数値を設定するために重要となります。

次を見ていきましょう。

B:エントリートリガーの指針

対してBは中心的な役割を果たしています。
8本RCI-FX手法の専用用語となりますが、追従型においては単独進行している事が絶対的な条件であり、開花型においては三種の緩みの確定をもって理想形、五月雨型ではBの射出が理想形となるため、いずれもBが指針であり主導するRCIとなります。

その象徴的なシーンが次の画像です

RCIでエントリーする際の最強設定値が示す反応とは

Bの主導が無い場合は、青垂直線でエントリーする事になります。
エントリー直後に逆行を食らってしまい損切りになって、その後伸びていくという最も悔しいパターンとなります。

しかしBの主導を見ているならば、黄色の垂直線からしかエントリー出来ません。
これも相場におけるRCIというオシレーターが示す「目ぼしい反応」です。

ただしBのRCIはトレード全体で見る役割はあくまでも

・エントリー直後の逆行の確率を引き下げる
・短期的な進行の推進力

です。

最終的にそのトレードを勝ち切る為に重要なのはより上位のRCIの動向であり、そこに選択式決済をぶつけて最大利益を確保する事で本手法の力は発揮される事になります。
このように取りたい場面とそれを構成する要素を相場と照らし合わせて、「目ぼしい反応」を示す設定値がその場面においての最強設定値と言えます。(それ1本でトレードに必要な全ての要素を担える万能設定値は存在しない)
結果として、例え1しか違いのない設定値であったとしても、数値だけを見て可能性を排除するのではなく、あくまでもチャートを分析する上で果たす役割は何か、に焦点をあてて絞り込んでいくとよいでしょう。

3本のRCI手法の設定値では勝てないのか

3本のRCI手法で勝てるようになるには

日本においては有名な3本のRCIを使用した手法、なぜか日本以外では全くと言っていいほど知られていません。わたしはイギリス人、香港人、アメリカ人、オーストラリア人のRCIトレーダーさんと交流がありますが、誰一人として3本でのRCI手法は知りませんでした

設定値は9/26/54が主流のようです。

ここで疑問。なぜ9/26/54なのか?
例えば各設定値をトレードに必要な要素「時間軸」で分類するとします。

9を現在足
26を上位足
54を環境認識

と置き換え、9を5分足と仮定します。

そうすると、

9=5分足
9×???=26:???
9×6=54:30分足

9が5分足ならその6倍の54は30分足に相当するはずです。

ですが・・・26の意味とは?

適切な時間に当てはめるならば9×3=27:15分足が正確です。
一段早い反応を見るためにあえて27を26にするのであれば他の数値も揃えて、最速の反応を取りにいく方が合理的なようにも感じます。
私はこの3本のRCI手法というのはやった事がありませんので、その数値の意図も分かりません。
しかし、このように腑に落ちない事、理屈に合わないと感じる事を解決するには何が必要か。

「検証」

しかありませんよね。
仮定があり疑問が生じ、それを解決するのが検証です。
自分の目で見た事、自分自身で証明した事に勝るものはありません。

RCIの常識は1本なら10、3本なら9/26/54かもしれませんが、そんな常識に対してまずは「なぜ?」と感じる部分が無いか探してみてください。
8本のRCI手法の設定値はここでは公開しませんが、RCIに限らずインジケーターの勝てる設定値の探し方はそれほど難しい事ではありません
仮定を元に基準を決めます。そして1から順番に1本1本、目ぼしい反応を示す数値の公倍数及び公約数、更にはその組み合わせ、しらみつぶしではありますが、「目ぼしい反応」は必ず目に見えて目ぼしい反応となります。(他とは明らかに違う反応となる)

そこからメインチャートとの整合を見て、その反応を取るに適切な数値が自ずと定まっていきます。

RCIだけで勝てる

RCIだけで環境認識、押し戻り、エントリートリガーのFXで勝つために必要な要素を完結できるから勝てると言える

RCIに限らず、どのようなMT4インジケーターであっても、その最強設定値を導き出すために時間はかかります。もちろんそれ相応の労力も。
しかしRCIというオシレーターはそれを補って余りある成果を与えてくれますから、これからFXに挑戦するという初心者の方であっても、その時間を投資する価値は十分にあるはずです。
まずは誤った計算式ではないインジケーターの導入から始めてみてください。

他のオシレーターもそれなりに検証した上でわたしはRCIというインジケーターに惚れ込んでいますが、環境認識、押し戻り、エントリートリガーというエントリーに不可欠な要素のほとんど全てを暴き出し、さらにはエグジット(決済)に対しても有用性を発揮する、これほど万能なオシレーターは他に無く、稚拙な言葉となりますがRCIはまさしく最強インジケーターであり最高のオシレーターであり、他の指標では勝てないけれど、RCIだけで勝てる!と断言できるほどの自信も持ち合わせています。(それだけ検証と実践を重ねており、現在の最新相場でも継続しているからこそ胸を張って言えるというのもあります)

次回はそんなRCIを使用するトレーダーとしてどのようなトレードを目指す事が可能か、そしてその先のお話について、これまでの専業トレーダーとしての経験から感じている事、思っている事を書いてみようと思います。


お読みいただきありがとうございました。


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